北朝鮮「自転車屋」夫婦を公開処刑 「子供らにまで恐怖心」市民が怒り

北朝鮮・平壌で先月中旬、大規模な私的商業活動を行っていたとされる50代の夫婦が、多数の住民の前で公開処刑されたと、デイリーNKの現地情報筋が伝えてきた。深刻な経済難の中、国家の統制を超えた個人商取引を見せしめとして取り締まる当局の姿勢を示すものとみられる。

情報筋によると、処刑は当初、平壌市沙洞(サドン)区域の射撃場で行われる予定だったが、直前になって美林(ミリム)地区の空き地に変更されたという。市場管理員や売り場責任者らは出席を義務づけられ、200人を超える住民が集まったとされる。

託児先のない親たちは幼い子どもを連れて参加し、通りかかった中学生らも制止されることなく処刑の様子を目撃したという。

「思想教育を強化」

夫婦はこれまで平壌市内で電動自転車やオートバイの部品を販売・修理・貸与する個人営業網を運営し、平壌最大の市場「松新(ソンシン)市場」で「有力商人(大手)」として知られていた。形式上は朝鮮職業総同盟(職盟)の所属として登録されていたが、実際には私的取引で外貨を蓄財していたとされる。