北朝鮮兵士ら19人が墜落死…「熾烈な徹夜戦」金正恩が要求

事故を目撃した同僚や近隣住民は、相次ぐ死を悼むと同時に、「あんなに人を殺してまで建設しなければならないのか」と怒りをあらわにしている。

労働者が夜中まで働かさせられているのは、金正恩氏自らが設定した工期があまりにも現実を無視したものだからだ。3月17日に着工式で鍬入れを行った金正恩氏は、「建設目標は非常に膨大で、建設の期限は迫っている」としつつも、今年10月10日の朝鮮労働党創立日までの完成を命じた。

この計画がいかに現実を無視したものか、現在建て替えが行われている東京都の青梅市立総合病院と比較してみよう。建て替えられる本館は地下1階地上8階、病床は約500床で、この工事だけで3年、計画全体では8年の時間を費やすことになっている。一方の平壌総合病院は病床数は不明だが、建物は20階建ての建物2棟と低層棟だ。

金正恩氏は着工式での演説で、労働者に徹夜での作業を求めた。

「党の指導に従って建設の大繁栄期を先頭に立って切り開いてきた日々に発揮した不屈の精神力によって『速度戦』の熱風を巻き起こし、党創立75周年を誇るべき記念碑的建造物を完工することによって輝せるための忠誠の突撃戦、熾烈な徹夜戦、果敢な電撃戦を繰り広げるべきです」

その一方で金正恩氏は、建物の質を担保せよとも求めている。