北朝鮮の新設工場が壊滅…金正恩「電力不足」理解せず
郡の人口は約5万7000人で、邑の人口は4000人程度と言われている。1世帯当たり3〜4人と考えると、焼酎1000本、石鹸1000個ほどしか生産できなかったということになる。
工場が稼働できるのは、川の氷が溶ける4月になるとこの幹部は見ている。つまり、毎年冬季は休業ということになる。
「両江道のみならず、他の地域に建設された地方工業工場も、現在電力問題により稼働ができずにいる。工場は、電力供給が円滑に行われる真夏にだけ稼働することになりそうだ」(情報筋)
ということで、北朝鮮には世にも珍しい「季節営業」の工場が林立することになる。だが、国は各工場の事情を考えず、一方的に生産ノルマを押し付ける。達成できなければ工場のトップのクビが飛ぶので、工場の施設を民間人に貸し出すなど、何らかの形で資金稼ぎをすることになる。
すべての調味料、生活必需品を国営の工場で生産し、市場経済を抑え込み、中央集権的な計画経済に戻そうとした金正恩氏の目論見が、もろく崩れ去ったことになる。
なお、4月になると、各工場は学校の新入生の制服の生産に入らなければならない。そうすると、また民家や他の工場への電力供給が止められることになりかねない。
