未婚だからと「陸の孤島」に島流しになる北朝鮮の若い教師たち
北朝鮮は近年、深刻な労働力の減少に見舞われている。統計が公表されていないので正確な数字は不明だが、各地で「嘆願事業」と称して、炭鉱や農村などの「困難で骨の折れる」部門に都市部の若者を志願させることが頻繁に行われていることからも、その深刻さが垣間見える。自分の意志で向かったことになっているが、上から強いられたものであることは言うまでもない。
人手不足は労働現場のみならず、教育現場でも起きているようだ。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
朝鮮労働党金策(キムチェク)市委員会(市党)は、師範大学、教員大学を卒業しても、教員として働いていないか、教員として働き方が誠実ではない男女をリストアップするように指示を下した。誠実ではない」とは、授業をまともに行わない、欠勤が日常茶飯事であることを指す。
北朝鮮で、小中高の教員の社会的地位は決して高くない。給料は少なく、児童、生徒の親からの付け届けなどで生活を維持している者が大半だ。そんな生活に見切りをつけ、仮病を使って頻繁に欠勤したり、結婚する予定だとして辞職したりする者もいる。
このような現象に対して市党は、「道徳性と社会的責任が欠如した者で、革命家としての資格がない」「個人の事情ではない、単なるエゴイズム」だと批判した。そして、このような教員を、人員不足が著しい炭鉱や農村の分校に強制的に送り込むとした。
市党は、4月の第1週を「自発的志願期間」と定め、炭鉱や農村の分校の教員に行くならば志願せよと呼びかけた。問題があるのに志願しなかった者は、市党が強制的に送り込む。
