北朝鮮、10代高校生も収容所送りに…家族も失踪
北朝鮮北部、中国との国境に接した慈江道(チャガンド)の前川(チョンチョン)で最近、15歳の高校生2人が、政治犯収容所送りになる事件が起きた。
現地のデイリーNK内部情報筋によると、同じクラスに属する2人は、学業や対人関係には問題がなかったものの、MP3プレイヤーにK-POPのファイルを保存し、他の複数のクラスメートにも聞かせていた。
以前は再生デバイスとして携帯電話を使っていたが、取り締まりの強化に伴い、MP3プレイヤーを使う人が増えた。隠しやすく、見つかりそうになったら捨てることができるからだ。
忽然と消えた一家
これを目撃した別のクラスメートが保衛部(秘密警察)に通報し、2人は逮捕され、凄惨な取り調べを受けた。
その結果、MP3プレイヤーには数十曲のK-POPのファイルが保存されていた。保衛部は、2人が自分たちでK-POPを聞くだけではなく、クラスメートにも聞かせていたことを問題視した。
そして1週間後。高校生2人のみならず、その一家全員が忽然と姿を消した。行方不明の話は地域に広がり、騒然となった。後になって、しつけがなっていなかったとの理由で、連座制が適用され、家族全員が管理所送りとなったことがわかった。管理所とは政治犯収容所のことであり、以前は有期刑囚用の「革命化区域」と無期刑囚用の「完全統制区域」に分かれていたが、現在では前者は廃止されている。
労働を通じた絶滅
これは「遅行性の処刑宣告」と言っても過言ではない。