深刻な食糧難で「捨て子」が増加する北朝鮮の窮状

故金日成主席は生前、こんな「マルスム」(お言葉)を残している。

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「子どもたちはわが国の宝です。未来の朝鮮はわれわれの子どもたちのものです」(金日成 1989.4.15)

しかし、そんな言葉とは裏腹に、北朝鮮では多くの子どもたちが勤労動員、金品の供出などの義務を押し付けられ、教育の機会を奪われている。また、昨今のコロナ鎖国下の経済難の犠牲となっているが、それは就学前の子どもとて同じだ。

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咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきたのは、著しい生活苦のはてに起きた捨て子事件だ。

事件が起きたのは今月15日。清津(チョンジン)市の愛育院(孤児院)の前に、生後3ヶ月に満たない赤ん坊が風呂敷に包まれた状態で置かれているのが発見された。赤ん坊には、名前と生年月日が書かれたメモが添えられていた。

全国的に深刻な食糧難が広がる中、託児所や幼稚園でもまともな食事が提供されない状況となっている一方で、愛育院や就学年齢に達した孤児を収容する初等学院、中等学院は、粉ミルクやおかずなどが朝鮮労働党咸鏡北道委員会から送られ、比較的恵まれた環境にある。

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食い詰めて絶糧世帯(食糧が底をついた世帯)となった若い夫婦が、赤ん坊を家で餓死させるよりは、愛育院に預けたほうがまだマシではないかと思いつめた結果、赤ん坊を愛育院の前に捨てたのではないかと情報筋は見ている。
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1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」のころにも捨て子が多発したが、今は当時と同様に捨て子が相次いでいると情報筋は証言した。
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「食糧難に対処できない人々は、子どもを産んでも経済的負担で育てられない状況に置かれている。将来的に状況が良くなれば、赤ん坊を取り戻すことを考え、愛育院の前に捨てる親がこれからも増えそうだ」(情報筋)
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経済難、食糧以外にも捨て子が増える理由がある。北朝鮮当局は、離婚を社会悪とみなし、裁判を経なければ離婚を認めないなど、ハードルを非常に高くしている。

だが、離婚を認められなかったとして妻が子どもを置き去りにして家を出たり、商売のために育児に充分な時間が取れないために、子どもを捨ててしまったりする事例が報告されている。
(参考記事:「暴力は離婚理由にならない」北朝鮮の司法が生み出す「捨て子」増大