「日本に血の代償払わせる」息まく北朝鮮の真意は

北朝鮮の朝鮮日本軍性奴隷・強制連行被害者問題対策委員会(被害者対策委)は今月15日、日本が第2次世界大戦で敗北して76年となったのに際して、日本を非難する声明を発表した。

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声明は、「日本帝国主義の殺りくと強奪蛮行によって、840万人余りに及ぶ罪なき朝鮮人が日帝の戦場と苦役場へ、『慰安所』へ連れて行かれて獣にも劣る奴隷暮らしを強要され、100余万人が無残に虐殺された」と主張。

続けて「日本が20世紀に40余年間わが国を占領し、朝鮮人民に計り知れない人的・物的・精神的被害を与えたことに対して、そして敗北以降の数十年間、わが朝鮮を敵視し、在日同胞を迫害したことに対してあくまで計算し、その血の代償を必ず払わせるであろう」と述べている。

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「血の代償」とは穏やかでないが、実際には北朝鮮にそんなことをする力はない。核戦力を除けば、飢えと規律崩壊で弱体化した軍は使い物にならない。
(参考記事:ひとりで女性兵士30人を暴行した北朝鮮軍の中隊長

それにこうした声明で「血の代償を払わせる」という表現が使われたのも、2回や3回ではない。たとえば同委員会は、4月1日の談話でも「血の代価」という表現を使っているし、朝鮮中央通信は昨年1月31日付と2019年7月17日付の論評で同じ言葉を使っている。遡ればもっとたくさん見つかるだろう。

しかし、北朝鮮がこうした言葉を発しながら、何らかの行動を起こしたことはない。

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こうしたある意味で虚しい挙動を見ながら思うのは、「日朝関係は完全に終わっている」ということだ。北朝鮮がどんな過激なメッセージを発しても、それが日本政治に影響を与えることはないし、そもそもメッセージそれ自体が空虚だ。

北朝鮮は米国や韓国に対しても強い非難の言葉を使うが、その際にはそれなりの反応を呼び起こす。結局のところ、日本も北朝鮮も互いに興味を失っているのである。

北朝鮮が日本に興味を持てないのは、拉致問題や核問題のハードルが高すぎて、国交正常化や過去の賠償は「絵に描いた餅」であることを悟っているからだろう。北朝鮮が日本を非難するのに遠慮なく強い表現を使う理由は、「もはや日本はどうでもいい」と考えているからだろう。

そして「どうでもいい」と思っているのは、日本も同じだ。拉致問題の解決を除けば、日本の政治家を対北朝鮮関係で動きたくさせる誘因はない。

北朝鮮の核開発は重大な問題だが、日本の政治家の多くは「アメリカが解決すべき問題」だと考えているのではないか。実際、それが現実なのだろうが、あまり長いこと思考停止していると、日本は対北朝鮮問題で当事者能力を失ってしまう可能性がある。

金正恩体制が不安定化すれば、情勢は一気に激変する。北朝鮮が経済制裁とコロナ、自然災害の三重苦に襲われている今、それはいつ起きてもおかしくないのだ。