激しい拷問に耐え続けた北朝鮮「レザーの女王」の壮絶な姿

北朝鮮の流通の中心地、平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)にある市場を今月1日、内閣商業局の取り締り班が急襲した。ターゲットは、外国製品のニセモノの製造、販売をしていた業者だ。

平城は、ニセモノ製造技術が発達した地域の一つとして知られている。国家科学院平城分院など研究機関の技術者らが業者に雇われ、指導してきたためと言われている。

ニセモノ産業繁栄の「成果」として、平城の市場には鞄、靴、コートなど安価で良質な革製品が多く出回った。本物と区別できないほどの精巧さで需要が高く、各地に出荷されていた。

「名前を吐け」口を割らず

ところが、そんな状況が一変した。

道の商業部は、1月の朝鮮労働党第8回大会で示された方針に従い、個人生産品は国家品質監督委員会の承認を受けたものに限って市場での販売を認めるとの方針を示した。

党大会前には、市場管理費、つまり「ショバ代」さえ払えば、韓流などのご禁制の品を除いて何を売っても特に制裁を受けなかった。しかし、今後は国家品質監督委員会が製品の生産過程、品質をすべて管理監督し、販売を承認するという体系が確立され、そうした手続きを踏んでいない在庫品を没収しようとしたのだ。要は、財政難に喘ぐ国家が、商人の財産を収奪しようとしたわけだ。

これに対し、地元で「レザーの女王」と呼ばれてきた女性商人のオさんらが激しく抵抗した。