それでも揺るがぬ中国と北朝鮮の「拷問」同盟

また、わがデイリーNKジャパンとも深い関わりのある韓国の人権活動家・金永煥氏はかつて、北朝鮮の民主化運動を行っていた際に中国当局によって長期にわたり拘束され、電気拷問など様々な拷問を受けた体験を語っている。

ちなみに、日本のメディアからは中国で拘束されている日本人が「電極拷問を受けている」との報道もあり、日本にとっても決して他人事ではない。

いま、北朝鮮が最も恐れているのは、人権問題が安保理によって国際刑事裁判所(ICC)に付託され、金正恩氏が刑事被告人とされる展開だ。そこから逃れる上で、安保理で「拒否権」を持つ中国が、自国と同様に人権問題を抱えているということは、何より頼りになる「安全装置」なのだ。

日本政府は、日本人拉致問題を北朝鮮の人権問題に含めながら、11月1日の日中韓首脳会談などでは、北朝鮮問題における中国との連携強化をうたっている。それが間違いとは言わないが、こと人権問題においては、中国と北朝鮮が「利益」を共有しているという事実を決して忘れてはならない。