北朝鮮軍で4000人死亡…金正恩の「コロナ対策」崩壊か

韓国統一省によると、北朝鮮は世界保健機関(WHO)に対し、11月25日までに約1万6900人が新型コロナの検査を受け、このうち約5千人が最近1カ月の間に受けたと報告した。隔離されている人は706人で、これまでの隔離者の総数は計3万2843人に達するが、北朝鮮は感染者を「ゼロ」と主張し続けている。

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しかし、この数字は実態とは大きくかけ離れているようだ。

デイリーNKの朝鮮人民軍(北朝鮮軍)内部の高位情報筋によると、今年に入ってから11月末までの累計で、軍における隔離施設への収容者は陸軍4万3000人、海軍6200人、空軍5420人の計5万4620人に達した。

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また別の情報筋は、先月1日の時点で隔離施設への民間人の収容者が累計で8万1000人に達したと伝えた。これらの2つの数字を単純に合算すると、北朝鮮で隔離された人は少なくとも13万5000人を数えることになる。総人口2500万人の0.54%に達する。

一方で軍の隔離施設における死者の累計は、陸軍2800人、海軍920人、空軍460人の計4180人で、隔離された軍関係者の7.65%が死亡した計算になる。

もっとも、隔離された人、亡くなった人すべてがコロナによるものとは断定できない。当局は発熱、呼吸困難など新型コロナウイルス感染症に似た症状を示した人は、片っ端から施設に収容している。

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また、軍では栄養失調が慢性化しているのに加え、衛生状態も劣悪で様々な伝染病が発生しており、それらが原因で死亡するケースも少なくないからだ。

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だが、新型コロナ対策が人々の生命を救うことを目的としたものならば、こうした形で大量の死者が出ている時点で、金正恩党委員長が主導する防疫措置はすでに失敗しているのではないか。

さらに、北朝鮮当局はこのところ、北部国境地帯で都市封鎖(ロックダウン)を相次いで実施している。武装兵の脱走を背景としたケースもあるが、こちらでも、過剰な外出禁止措置のために餓死者が続出している。

そして今月2日には、国営メディアが新型コロナの防疫段階が最高レベルの「超特級」に引き上げられたと報じた。超特級が発令されるのは、世界的規模での感染拡大が始まった今年2月以来だ。冬に入り、世界的に新型コロナの再流行に対する懸念が高まっているためかもしれないが、首都・平壌の境界地域での健康チェックを強化しているのを見ると、深刻な感染拡大が起きている可能性は排除できない。

金正恩氏が世界に誇ってきた「鉄桶のような防疫体制」は、すでに崩壊しているのだろうか。