【写真】RFAが公開した新義州市の大規模火災の様子
国境の川・鴨緑江(アムロッカン)はさみ中国の対岸に位置する北朝鮮の新義州(シニジュ)市で9日、大規模な火災があったようだ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が、その様子を写真や動画とともに報じている。

RFAによれば、火災は同市内の江岸(カンアン)駅で発生し、15両編成の列車が丸焼けになるなどの被害が出たという。
(参考記事:死傷者1500人、龍川大爆発事故…北朝鮮「暗殺未遂説」のミステリー)
新義州の知人から事故の様子を聞いたという中国・丹東市民はRFAに対し、現場の様子について次のように語っている。
「駅には消火器があったが中身が空っぽで、火災の初期鎮圧に失敗した。それからたったの数分で貨車に積まれていた大豆油が燃え始めたのだが、煙がすごくて現場に近づくこともできなかったらしい。1時間半の間、なす術もなく見守っているうちに、駅の倉庫の保管品まですべて燃えてしまった」
RFAが公開した動画(次ページにリンク)を見ると、真黒な煙が上空100メートルにまで達している。列車15両が全焼するとは火の勢いは相当なものであったと思われ、
北朝鮮の列車火災と言えば、2004年4月に龍川(リョンチョン)で起きた大爆発事故を思いだす人もいるだろう。8000棟の建物が吹き飛び、1500人が死傷した悪夢のような大惨事である。この事故を巡っては、金正日総書記に対する暗殺計画だった可能性が取り沙汰されている。
(参考記事:死傷者1500人、龍川大爆発事故…北朝鮮「暗殺未遂説」のミステリー)
北朝鮮では、このような惨事が度々起きている。たとえば中国との国境地帯にある慈江道(チャガンド)の江界(カンゲ)市で1991年、ミサイルや砲弾を製造していた軍需工場が大爆発を起こし、市街地の相当部分が壊滅。1000人を超える死者が出た。