「この国はもう終わり」北朝鮮を脱出した女性が見たモラル崩壊の極み
今月5日に旧正月を迎えた北朝鮮で、オルム(氷=覚せい剤を表す符丁)と呼ばれる覚せい剤の値段が高騰しているという。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、覚せい剤を買い求める人が多すぎて売り切れ状態になったためだという。
違法薬物、とりわけ覚せい剤の蔓延は北朝鮮社会が抱える深刻な問題の一つだ。
北朝鮮で麻薬や覚せい剤は国家機関の主導で製造され中国や日本に密輸された。ところが、各国当局の厳しい取り締まりによって徐々に減少。それが北朝鮮国内で薬物が蔓延するきっかけとなる。薬物の「在庫」もあれば、製造技術も原材料もある。しかし売り先はない。自ずと国内で流通しはじめたのだ。
「市民の8割が使用」
覚せい剤が蔓延する背景として、違法薬物が深刻な害を及ぼすという認識が国民の間で徹底されていないことがある。旧正月前後に覚せい剤の需要が高まったのも、「正月のプレゼント」として覚せい剤が贈られるからだというのだ。
