北朝鮮当局は今のところ、自国内で新型コロナウイルスの感染者は発生していないとしている。しかし、国民の多くは信用せず疑心暗鬼にかられ、各地で「コロナ・パラノイア」とも言うべき現象が起きている。 今回「コロナ騒ぎ」が起きたのは、東海岸の江原道(カンウォンド)元山(ウォンサン)だ。 現地のデイリーNK内部情報筋によると、元山市の水上洞(スサンドン)にある元山水産大学の寮で、多くの学生が高熱、呼吸混乱の症状を示し、学校は完全に閉鎖された。翌日、地域の保健当局関係者が大学に派遣され、学 ...

韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は3日に行われた国会情報委員会による国政監査で、北朝鮮の金正恩党委員長の健康状態と関連し、「2012年8月ごろの90キロから8年間に毎年平均6~7キロ増加して、現在は140キロ台だ」とし、「昨年は130キロ台だった」と報告したという。 国情院が金正恩氏の体重に増えるのは久しぶりだ。前回は2016年7月に、「2012年に初めて登場したときは90キロだったが、2014年には120キロに、そして130キロまで増えたと推定される」としていた。 この ...

北朝鮮の金正恩党委員長は今年5月1日、平安南道(ピョンアンナムド)に建設された順川(スンチョン)燐酸肥料工場の竣工式に参加した。しばらく公の場に姿を見せず、重病説や死亡説が飛び交うさ中での登場だっただけに、世界から注目を集めるニュースとなった。 しかし華々しい竣工式とは裏腹に、工場の中身はお粗末なものだった。肥料を生産するラインが1本たりとも稼働できる状態になかったのだ。そして、そんな状況は半年たった今でも変わらない。 (参考記事:「政府の動きがおかしい」北朝鮮国内で金正恩死 ...

各地でロックダウン(都市、地域封鎖)が相次いでいる北朝鮮。デイリーNKなどが把握したケースは以下の通りだ。 7月24〜8月14日 開城(ケソン) 8月27日〜9月14、17日 両江道(リャンガンド)の三池淵(サムジヨン)、恵山(ヘサン)、慈江道(チャガンド) 10月26日 慈江道の満浦(マンポ) (参考記事:北朝鮮国境都市、コロナ感染のおそれで2度目の封鎖令) いずれも新型コロナウイルスの感染が疑われる者が地域に入ったという理由からだが、それ以外の理由での封鎖も行われている。 ...

台風9号(メイサーク)が朝鮮半島に上陸したのは今年9月。北朝鮮最大の亜鉛の産地、咸鏡南道(ハムギョンナムド)端川(タンチョン)市の検徳(コムドク)鉱山では、坑道全てが浸水し、数多くの死者、行方不明者を出した。 鉱山のイルクン(幹部)と労働者は、朝鮮労働党検徳鉱山委員会に対して台風の危険性を説明し、台風が来る前にすべての設備と労働者を撤収させるべきと提言したが、党委員長は聞き入れず、大きな被害を招いた。 (参考記事:北朝鮮最大の亜鉛鉱山、台風で坑道すべて水没し死者多数) 被災地 ...

北朝鮮の対韓国宣伝サイトである「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は2日、韓国が米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の追加配備を目論んでいるとして、「好戦的な妄動は自滅だけを招く」と警告する論評を掲載した。 同サイトは24日にも、韓国の文在寅大統領が日本の菅義偉首相の就任を祝う書簡を送ったことは、「民心をないがしろにする反逆であり売国である」と非難する論評を掲載した。 北朝鮮は6月、脱北者団体による対北宣伝ビラの散布と、それを許した韓国政府に反発して開城(ケソン)工業 ...

近年の北朝鮮は連続して自然災害の被害を受けているが、今年は8号(バービー)、9号(メイサーク)、10月(ハイシェン)の3つの台風が上陸し、甚大な被害が発生した。 金正恩党委員長は、被災地に軍の兵力を投入し復旧に当たらせる一方で、自身も現地を訪問、その様子を国営メディアに報道させるなど、「人民愛」の宣伝に余念がない。 (参考記事:「軍の戦闘力に喜び」金正恩氏、水害復旧現場を視察) その「愛」は、人の命を奪う形でも示される。人民武力省後方総局のイルクン(幹部)4人が、現場に派遣さ ...

金網に囲まれた民家の裏庭と思しき空間で、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士と女性が、穀物に棒を振り下ろし、レーキのような農機具を使い、わらを袋詰めしている。その様子を、武装した別の兵士2人が見守っている――。 中朝国境の中国側から撮影されたと思われるこの映像が、動画共有サイトTikTokに投稿された。何気ない脱穀の風景に見えるが、ここは協同農場である。本来なら、兵士がいるはずのない場所だ。彼らは何をしているのだろうか。 両江道(リャンガンド)の朝鮮人民軍情報筋は、こう説明した。 「 ...

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は29日付の論評で、先月発生した海上での韓国人男性射殺事件について、「自衛的措置」だったと主張した。 論評は、同事件を巡って北朝鮮を非難する韓国の野党「国民の力」などに対して反論したものだ。論評はまず、次のように述べて、自国側の「善処」を強調している。 「われわれは西海海上で発生した誰も願わない意外の不祥事によって、北南間の信頼と尊重がこれ以上崩れないようにするために、わが最高指導部の意中を盛り込んで即時に事件のいきさつに対する調査結果を通報してやり、 ...

北朝鮮は、今年7月の開城(ケソン)を皮切りに、8月の両江道(リャンガンド)一部地域と慈江道(チャガンド)、さらに今月26日の午前6時から慈江道の満浦(マンポ)に対して封鎖令を出している。 いずれも、新型コロナウイルスの感染が疑われる人が出入りしたことによるものだ。咸鏡北道(ハムギョンブクト)の一部地域でも、27日から封鎖が実施されているが、こちらは少し事情が異なる。 (参考記事:北朝鮮国境都市、コロナ感染のおそれで2度目の封鎖令) 北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会、内閣、中央防疫 ...

今年7月に北朝鮮の首都・平壌で摘発された大規模な組織売春、名付けて「女子大生クラブ」事件。同国からはこれまでに何度も組織売春摘発の情報がもたらされているが、今回の事件はとりわけ衝撃的だ。 北朝鮮では1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」のころ、生きていくために売春を行う女性が増えたとされる。その取り締まりのため、2004年の法改正で「売淫罪」が新設され、「売淫行為を行った者は1年以下の労働鍛錬刑に処す。前項の罪状が重い者には5年以下の労働教化刑に処す」と定められた。だが実際に ...

現在の北朝鮮で最高位にある女性エリートは、金正恩党院長の妹・金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長を除けば、崔善姫(チェ・ソニ)第1外務次官だろう。女性がこのポストに座ったのは史上初のことであり、さらに彼女は党中央委員と国務委員も兼務する。 もちろん、金正恩氏の最側近のひとりであるわけだが、そんな崔氏が最近、「革命化」を経験したという。 何らかの過ちを犯した幹部の職責を解き、地方の協同農場や炭鉱に送り込み、辛い肉体労働をさせることで、朝鮮労働党や首領(金正恩党委員長)に ...

米国政府は最近、韓国から原子力潜水艦で使用する核燃料の供給を打診されたが、これを受け入れなかったとされている。 韓国メディアが6日、米外交筋の話として伝えたところでは、青瓦台(大統領府)の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長が先月中旬に訪米。今後、韓国が原子力潜水艦を開発する意向であることを説明した上で、米国から核燃料を購入したいとの意向を伝えたところ、米側は自国の核不拡散の原則を理由に難色を示したという。 韓国では近年、原子力潜水艦を建造すべしとする機運が高まって ...

北朝鮮の対韓国宣伝サイトである「ウリミンジョクキリ(わが民族同士)」は24日、韓国の文在寅大統領が日本の菅義偉首相の就任を祝う書簡を送ったことは、「民心をないがしろにする反逆であり売国である」と非難する論評を掲載した。 文在寅氏は先月16日、菅氏に対して首相就任を祝い、日韓関係の発展を呼びかける書簡を送った。青瓦台(大統領府)が明らかにしたところでは、書簡には「韓国政府は菅新首相や新内閣とも積極的に協力し、過去の歴史問題を賢明に克服し、経済・文化・人的交流など、様々な分野で未 ...

北朝鮮当局は7月1日から、携帯電話を使ったキャッシュレス決済、「チョナトン」を禁止する措置を取った。購入したチョナトンがすべて無効になったことで、このシステムを利用していたトンジュ(金主、進行富裕層)はパニックに陥っている。 (参考記事:北朝鮮で普及「キャッシュレス決済」に金正恩氏が禁止令) 北朝鮮の携帯電話は、諸外国でも一般的な、カードを買ってチャージする先払い制の料金システムを採用している。従来は、逓信所(郵便局)や奉仕所(携帯電話会社営業所)で3000ウォン分の「チョナ ...

脱北者で韓国紙・東亜日報の記者であるチュ・ソンハは24日、自身のYouTubeチャンネルのライブ放送で、北朝鮮の朝鮮労働党高官が金正恩党委員長の命令で公開処刑されたとの同国内部からの情報を、スクープとして伝えた。遺体は、火炎放射器で焼かれたという。 チュ氏によれば、処刑されたのは党中央委員会の経済部長だという。経済部長の名前は詳らかでないとして、言及しなかった。 処刑の理由は、新型コロナウイルスの流入・拡散防止のための防疫対策違反だ。北朝鮮は現在、新型コロナの流入を防ぐためと ...