日本政府は1日、北朝鮮が先月24日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射して日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したことを受け、北朝鮮の核・ミサイル開発に関わったとされるロシアの4団体と9人(北朝鮮国籍6人、ロシア国籍3人)を対象とする追加制裁(資産凍結)を閣議で了解した。 これによって資産凍結の対象は、北朝鮮などの120人と129の団体に拡大されました。 今回追加した9人と4つの団体は先に米国が資産凍結の対象とする措置を講じていて、日米が足並みをそろえた格好となる。 北朝 ...

中朝貿易の7割の経由地と言われている、北朝鮮・平安北道(ピョンアンブクト)の新義州(シニジュ)。大通り沿いにはトンジュ(金主、新興富裕層)の投資で建てられた高層マンションが立ち並び、地方都市としてはかなり豊かなところと言われている。そんな新義州で、ついに餓死者が出てしまった。 農村地帯を中心に、食糧が底をついた「絶糧世帯」の増加が伝えられているが、市場で商売して現金収入を得られる都市部では、そこまでの状況ではなかったはずなのに、一体どういうことなのだろうか。現地のデイリーNK ...

北朝鮮は先月16日、首都・平壌郊外の順安国際空港付近から、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」を発射したが失敗に終わった。その際、平壌周辺にはミサイルの破片が降り注いだと、韓国当局が明らかにした。 韓国国防省は、同月29日の国会国防委員会の非公開報告で、16日に発射した「火星17」が平壌上空の高度数キロで爆発し、破片が雨のように降り注いだと明らかにした。 これについて国会国防委員会に所属する野党・国民の力の河泰慶(ハ・テギョン)議員は、ミサイル発射失敗と破片落下で平壌市 ...

北朝鮮国民は、自国の行う核実験、ミサイル実験には否定的な反応を示すことが多い。実験の巨額の予算を投入するなら、経済難、食糧難をどうにかしてくれと言ったものだ。 北朝鮮は国内メディアを通じ、24日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」の発射を行ったと発表したが、案の定、国内ではこれを非難する声が上がっている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。 平安北道(ピョンアンブクト)龍川(リョンチョン)郡の幹部は、携帯電話の労働新聞アプリで最高尊厳(金正恩総書記)が ...

北朝鮮の市場で、取り締まりで品物を取り上げられた商人たちが、激しい抗議行動を行った。平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 事件が起きたのは今月中旬のこと。順川(スンチョン)市内の市場で、安全部(警察署)が、販売が禁止されている個人製造の無許可医薬品、農薬、電力消費量の多い外国製の電化製品などに対する集中的な取り締まりを行い、これらを販売していた商人から全量を押収した。 (参考記事:北朝鮮でソーラーパネル、バッテリーなど販売禁止令) 北朝鮮の一般大衆は ...

北朝鮮北東部、中国を国境を接する咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)市では、15万人に達する市民の多くが、中国キャリアの携帯電話を使用している。地域経済そのものが、中国との合法、非合法の貿易で成り立っていたからだ。 地域の保衛部(秘密警察)、安全部(警察署)は、彼らからワイロを徴収して、一種の共存関係を築いてきた。そんな状況に変化が現れたのが、昨年2月の朝鮮労働党第8期第2回総会の後だ。 中国キャリアの携帯電話の使用が、秘密主義の北朝鮮政府が最も忌み嫌う国内情報の流 ...

北朝鮮と中国を結ぶ貨物列車の運行が再開されてから2ヶ月が経った。生活物資の多くを中国に頼っている北朝鮮の人々にとって、貨物列車の運行再開は希望の光だが、その光がすべての人を照らす日はまだまだ遠い。 人々の生活苦は解消せず、食い詰めた女性たちは街頭に立つようになった。 咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、咸興(ハムン)駅のそばに立って売淫行為(売春)の客引きをしていた女性2人が、安全員(警察官)に連行されたと伝えた。いずれも20代後半の女性で、生後5〜9ヶ月 ...

ミイラ取りがミイラになってしまったのだろうか。 北朝鮮の82連合指揮部は、反社会主義・非社会主義行為(風紀の乱れと犯罪行為)を取り締まるために中央から各地方に送り込まれた組織だ。 地方の安全部(警察署)や保衛部(秘密警察)は、地元住民からワイロを受け取って癒着し、これら行為をじゅうぶんに取締まれていない。82連合指揮部は、そこからの脱却を図り、効果的に取り締まりを行うのを目的に、2020年12月の最高人民会議常任委員会第14期第12回総会で採択された「反動的思想・文化排撃法」 ...

北朝鮮で、食糧が底をついた家を指す「絶糧世帯」が続出している。 穀倉地帯の黄海南道(ファンヘナムド)の甕津(オンジン)のある農場では、半数が絶糧世帯に陥ったと、米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)が現地の情報筋の話として伝えているが、山がちで農地の少ない両江道(リャンガンド)はより状況が深刻なようだ。 (参考記事:「半数の世帯で食べ物がない」北朝鮮から聞こえてきた断末魔) 現地のデイリーNK内部情報筋は、道内の農村では平均して10世帯のうち1〜2世帯が絶糧世帯で、4〜7世 ...

性犯罪は、実際の発生件数と認知件数に乖離が生じる傾向が強いと言われている。性暴力を被害者の落ち度とする風潮が根強いとされる北朝鮮では、被害者が被害を訴えにくく、訴えたとしても握りつぶされている可能性が高い。 また、地位を悪用した性犯罪も少なくなく、その傾向に拍車をかけている。 最近、北朝鮮の地方で安全部(警察署)の幹部が女性に性暴力を振るう事件が起きたが、これも地位を悪用したものだった。 司法機関の内部事情に通じた平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK情報筋が伝えた事件の ...

いよいよ新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した、金正恩総書記の暴走が止まらない。その一方、北朝鮮では食糧が底をついた家を指す「絶糧世帯」が続出している。 穀倉地帯の黄海南道(ファンヘナムド)の甕津(オンジン)のある農場では、半数が絶糧世帯に陥ったと、米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)が現地の情報筋の話として伝えている。他にも同様の地域が多数あると見られ、対策を話し合う地元当局の会議などでは、1990年代の大飢饉「苦難の行軍」の経験が話題に上っているという。 苦難 ...

北朝鮮は24日、金正恩総書記の立ち会いの下、新型大陸間弾道ミサイル「火星砲ー17」(火星17)の発射実験を実施。金正恩氏は実験が成功したとして、「わが国家防衛力はいかなる軍事的威嚇・恐喝にもびくともしない強大な軍事技術力を整え、米帝国主義との長期的対決を徹底して準備していく」と強調したが、北朝鮮の本当の内情は、米国との対決など想像すらできない悲惨なものだ。 北朝鮮では今、食べ物が完全に底をついた「絶糧世帯」が急速に増えているとされる。一部地域では、半数を超えたとの情報さえ伝わ ...

北朝鮮女性のカンさん(30代)は脱北者に偽装し、中国の長白朝鮮族自治県で牧場労働者として働きながら、現地の脱北者の動向を報告する北朝鮮の両江道(リャンガンド)保衛部(秘密警察)所属の無名の工作員だった。2015年から中国で活動していた彼女に2018年1月末頃、突然、保衛部から撤収命令が下された。 保衛部から伝えられた理由は、「これまで任務を誠実に遂行したので、帰国してもよい」ということだったが、実状は違った。彼女が、6カ月ごとに送るべき1万5000中国元の上納金ノルマを怠って ...

北朝鮮女性のカンさん(30代)は脱北者に偽装し、中国の長白朝鮮族自治県で牧場労働者として働きながら、現地の脱北者の動向を報告する北朝鮮の両江道(リャンガンド)保衛部(秘密警察)所属の無名の工作員だった。2015年から中国で活動していた彼女に2018年1月末頃、突然、保衛部から撤収命令が下された。 保衛部から伝えられた理由は、「これまで任務を誠実に遂行したので、帰国してもよい」ということだったが、実状は違った。彼女が、6カ月ごとに送るべき1万5000中国元の上納金ノルマを怠って ...

北朝鮮で広く行われている「嘆願事業」。農村、炭鉱など労働力が不足する地域に、都会の若者が「嘆願」して向かうというものだが、地域ごとに人数の割り当てが行われるなど、実際は半強制だ。 背景には貧窮による農村からの人口流出があると思われ、農業振興を重視する金正恩政権にとっても、最重要事業のひとつとなっていると見られる。 しかし、農村の立ち遅れた現状を嫌う風潮は根強く、事業はうまく進んでいないようだ。現状を、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。 道内の機関、 ...

北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、金正恩総書記が完工を控えた松新(ソンシン)・松花(ソンファ)地区の1万世帯住宅建設場を現地指導したと報じた。朝鮮労働党は2021年1月に開催した第8回大会で、「平壌市5万世帯住宅建設構想」を打ち出した。松新松花地区の1万世帯住宅建設も、同構想に沿ったものだ。 本来は昨年末の竣工を目指していたが、金正恩氏が視察したことで、完工と入舎(入居)式が近いことが明らかになった。 ところが、入居予定の住民の間では階数の配分を巡り、不満が高まっていると米政府系 ...