米国で不興を買う、文在寅「教皇フランシスコ訪朝」の作り話

韓国の文在寅大統領は28日午前、イタリア・ローマで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議出席などに向けて出発した。文在寅氏は欧州でまず、29日にバチカンのフランシスコ教皇と会談する。

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これを受けて、韓国メディアは「今回の会談で教皇が北朝鮮訪問関連について言及する可能性もある」(中央日報日本語版)などと報じている。韓国政府がそのように匂わせているためだ。

韓国には、教皇が北朝鮮訪問に積極的であるかのような論調が根強いが、事実は異なる。

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文在寅氏は2018年10月に、初めて教皇庁を訪問。教皇に北朝鮮訪問を提案した。その際、教皇は「北朝鮮から公式に招待状が届けば訪問も可能」と答えた。それがすべてだ。つまりは教皇の発言は、一種の“たとえ話”に過ぎない。

それを当時、韓国メディアは何を勘違いしたのか「最大の成果はローマ教皇の訪朝意思を引き出したことだ。(中略)平和の象徴であるローマ教皇が初めて北朝鮮の地を踏む意味は非常に大きい」(朝鮮日報)などと騒ぎ立てた。

韓国政府がメディアに対してそのように説明していたとしたら、これは完全に“作り話”である。

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最近では、さすがにここまでの勘違い報道はなくなったが、どうやら教皇が万が一、北朝鮮関連の発言をした場合に備えて、保険をかける意味で「可能性」に言及しているようだ。

それはさておき、教皇を「対北融和路線」に付き合わせようとする文在寅政権の姿勢は、米ワシントンDCで不興を買っているという。米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)によれば、ロバート・キング前北朝鮮人権問題担当特使はこう語っているという。

「教皇の訪朝が金正恩に強い影響を及ぼすかは疑わしい。(むしろ)金正恩が欲しがっている地位と威信、関心を与えるだけだろう」

「信者を根絶やしに」

さらに、ミッチェル・リース元国務省政策企画室長も、「教皇が南北朝鮮の分裂と関し、何らかの合意を仲介できると考えるのは非現実的だ」と指摘。

また、グレッグ・スカラチュー北朝鮮人権委員会(HRNK)事務総長もVOAに対し、「教皇は過去、人権侵害国家を訪問し、そうした国々に関与したことがある。だがそういった国々も、北朝鮮のようにキリスト教信者を根絶やしになどしない、カトリックの国だった。北朝鮮の政権と同じレベルの反人道犯罪に手を染めている国でもなかった」と強調している。
(参考記事:「禁断の書」を持っていた北朝鮮女性、密告され処刑

いまだに公開処刑が横行し、その実態が世界に知られている国家を教皇が仮にも訪問するなら、独裁者の悔い改めが、絶対条件にならざるを得ない。

金正恩総書記がそのことに気付いているとしたら、絶対に教皇への招待状など出さないだろう。

つまり、文在寅氏が教皇の訪朝を望むなら、説得すべき相手は教皇その人ではなく、金正恩氏の方なのだ。