【写真分析】金正恩氏の”危険な”ヘアスタイル変化

北朝鮮の金正恩総書記が、別人のように変貌したと言われている。

2010年の初登場以来、金正恩氏はサイドを高く刈り上げる「覇気ヘア」を貫いてきた。北朝鮮では金日成氏、正日氏と最高指導者の服装やヘアスタイルを真似るのはある種の慣例で、「覇気ヘア」も青少年に半ば強制されたとされる。金正恩氏ほどではなくても、理髪店に行くと何も言わなくても勝手に覇気ヘアにされたという。

金正恩氏の覇気ヘアが変わったのは8月だ。

7月30日、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)第1回指揮官・政治活動家講習会での金正恩氏は、従来通りの覇気ヘアであり、サイドが高く刈り上げられている。

2021年7月30日に公開された金正恩氏の写真(朝鮮中央通信)

次に9月3日に開かれた朝鮮労働党の会議に参加した金正恩氏を見てほしい。

金正恩氏(朝鮮中央通信)

金正恩氏「覇気ヘア」の最大の特徴だった刈り上げがほぼなくなった。

ちなみ下の写真は、2015年に公開されたものだ。この髪型は一時、「黒電話ヘア」と呼ばれ国際的な「ネタ」になっていた。

金正恩氏(朝鮮中央通信)

これら3枚を比べると、2015年と現在とでは大きな変化があったことがわかる。それにしても、今より6歳も若かった頃の金正恩氏は、何を手本に「黒電話ヘア」を選択したのだろうか。もしかしたらここにこそ、危険な独裁者の精神世界を読み解くカギがあるかもしれない。(参考記事:金正恩氏が自分の“ヘンな写真”をせっせと公開するのはナゼなのか