若者14人が犠牲に…北朝鮮「墜落死の現場」称えるキケンな美術作品

北朝鮮の朝鮮中央通信は22日、「平壌市1万世帯住宅」建設を鼓舞する絵画の創作活動が活発に繰り広げられているとする記事を配信した。

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平壌市1万世帯住宅は、「普通江川岸段々式住宅区」とともに、金正恩氏が今年3月に打ち出した建設プロジェクトだ。

万寿台(マンスデ)創作社、中央美術創作社、平壌美術大学などの作家による創作作品には、「決死貫徹」「現場治療隊」「見舞いの手紙」「徹夜作業」などがある。建設現場の労働者や兵士を鼓舞する目的で作られているらしいが、むしろ危険な作業が行われている実態を裏付ける結果につながっている。

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北朝鮮の建設現場ではスピードを最優先して、「速度戦」というスローガンが掲げられることが多いが、実態は無茶な工期設定による突貫工事であり、悲惨な死亡事故も多発している。

今年3月に始まった1万世帯住宅の建設事業では、先月だけで14人もの死者が出た。犠牲者の年齢は18歳から23歳で、いずれも睡眠不足のために、足場から墜落したものと見られている。
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金正恩総書記は2019年4月、東海岸で造成中のリゾート「元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区」の建設現場を視察した際、次のように述べている。

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「今年の党創立記念日(10月10日)まで急いで何に追われているかのように速度戦で建設するのではなく、工事期間を6カ月間延長して来年の太陽節(4月15日の金日成主席の誕生日)まで完璧に完成しよう」

最高指導者が速度戦を戒めるのは、極めて珍しいことだった。この発言を受け、北朝鮮の無茶な建設方式が見直されるのではないかとの期待も持たれた。

しかし、実際は違った。

金正恩氏は翌年3月、平壌総合病院の着工式で「不屈の精神力によって『速度戦』の熱風」を巻き起こせと強調し、前述したような期待を見事に粉砕してくれた。一時的に速度戦を戒めたのは、単なる便宜上のことだったわけだ。

そして、今回の朝鮮中央通信の報道である。

速度戦での犠牲を英雄視するかのような官製の創作運動は、労働者たちをいっそう危険な立場に追いやる可能性があるのだ。