文在寅政権「対北ビラ禁止」に英国議会からも批判。米国、国連に続き

韓国紙・朝鮮日報(日本語版・21日付)の報道によれば、英国議会上院のデビッド・アルトン議員は20日、「北朝鮮問題に関する超党派議員グループ(APPG NK)」を代表してラーブ外相に書簡を送り、韓国政府に「対北朝鮮ビラ禁止法(改正南北関係発展法)」について再考を促すよう求めたという。

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14日に韓国議会で可決された同法は、軍事境界線一帯で北朝鮮の体制を非難するビラを散布するなど南北合意書に違反する行為を行った場合、3年以下の懲役または3000万ウォン(約280万円)以下の罰金に処することができると定めたものだ。

韓国の文在寅政権と与党は、北朝鮮がビラ散布用の風船を銃撃した2014年の事件を引き合いに出し、同法は国民の安全を守るためのものだと主張している。だが、対北ビラ散布に対する規制は今年6月、北朝鮮の金正恩党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長が要求したところから始まっている。同法の目的が、北朝鮮の歓心を買おうとするものであることは明らかなのだ。

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これに対しアルトン氏は、「文在寅大統領がこの法律を承認すれば、朝鮮半島において北朝鮮の人権を増進し、国連人権宣言が保障する人間の尊厳を守るプラットフォームが消え去ってしまう」などと指摘したという。

同趣旨の指摘は、すでに国連のトマス・キンタナ北朝鮮人権状況特別報告者、米共和党のクリス・スミス下院議員などからも発せられている。米議会の超党派委員会である「トム・ラントス人権委員会」は来年早々、同法に関する聴聞会を開催する予定だ。また米紙ワシントン・ポストによれば、スティーブン・ビーガン国務副長官も今月8日から11日にかけて訪韓した際、同法に対する懸念を非公式に伝えていたという。

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韓国政府と与党は今のところ、こうした動きを「内政干渉」と捉えて突っぱねているが、そのような態度をいつまで続けられるだろうか。ここ数年、北朝鮮の人権侵害に対する国際社会の追及は低調だったと言えるかもしれないが、それはトランプ米大統領が金正恩党委員長との関係を重視し、北朝鮮が嫌う人権問題への言及を意図的に避けてきたことによるものだ。そのおかげで、南北融和を優先したい文在寅政権にとっては「やりやすい」環境が整っていた。

だが、バイデン次期政権が船出すれば、多かれ少なかれ状況は変わる。その節目に対北ビラ禁止法が出てきたのは、文在寅政権にとって非常に間が悪かった。同政権がこの問題でスマートに対応できなければ、米新政権が発足する2021年の北朝鮮情勢は、「韓国の北朝鮮に対するアプローチは非常にマズい」という世論が形成させれるところから始まるかもしれない。