「性能に深く失望」インドネシア、韓国製潜水艦もキャンセルか

インドネシアがフランスからラファール戦闘機48機を購入する方針であることが明らかになり、韓国に衝撃を与えている。インドネシアは韓国の次期戦闘機(KF-X)計画に共同開発国として参加しているが、ラファールの購入により、同計画から離脱する可能性が高まったためだ。

この動きを受けて調べてみたところ、インドネシアは韓国製潜水艦の導入もキャンセルする可能性があることがわかった。インドネシアは、韓国が開発したジェット練習機をいち早く購入した得意先だ。ここへ来ての離反は、韓国の軍需産業にとってかなりのダメージになると思われる。

聯合ニュースが11月19日にジャカルタ発で報じたところによると、インドネシア国営PAL造船所の人事担当局長が下院の分科会で、「4〜6番艦潜水艦を建造する2次事業契約を昨年3月に締結したが、事業は進んでいない」と明らかにしたという。

インドネシアは韓国から12隻の潜水艦を導入することで合意し、2011年には第1次事業として大宇造船海洋と1千400t級潜水艦3隻(1兆3千億ウォン)の契約を締結した。そして、1番艦と2番艦は韓国で建造して引き渡し、3番艦は韓国で作られた本体を、インドネシアのジャワ島スラバヤのPAL造船所に運んで組み立て、昨年4月に進水した。

また同月、インドネシアは第2次事業として1千400t級潜水艦3隻(1兆1千600億ウォン)を大宇に発注。これに従い、大宇はPAL造船所と3隻を共同で建造し2026年までに引き渡す計画だった。

ところがこの第2次事業は、契約金の支払いを含め、まったく進展が見られないという。

実は、インドネシア国会では今年9月、韓国製潜水艦の性能がヤリ玉に上がっていたという。外信によれば、プラボウォ国防相が「われわれは膨大な予算をかけて韓国から技術移転を受けたのに、潜水艦の性能には深く失望している」と表明。特に「連続潜航期間が90日に及ばず、潜航時間の起伏も激しい」ことに不満を表したという。

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これについては、韓国がインドネシアに輸出した潜水艦の仕様では、そもそも90日もの潜航期間を要求するのは無茶だという指摘もある。もしかしたらインドネシア当局は、何か別の理由で韓国からの兵器購入をキャンセルしたくなったのだろうか。だとすれば、文在寅政権の外交的な失策である可能性もある。

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今のところ、インドネシアはKF-Xについても潜水艦についても、韓国に対して正式にキャンセルの意向を伝えたわけではない。だが、インドネシアはすでに、ロシアやフランスなどから潜水艦輸出の打診を受けているとの報道もある。韓国の政府と軍需産業は当面、不安な日々を送ることになりそうだ。