文在寅に迫る「Xデー」…蔚山市長選挙介入事件の全貌

もっとも起訴状は、全国紙・東亜日報が「合法的に入手した」として、全文を公開している。

一方、元蔚山地方警察庁長の黄雲夏は、刑事被告人の身分のまま2020年4月15日の総選挙に民主党候補として出馬し、当選を果たしている。同選挙については前年来、経済政策の失敗や政権・与党関係者の度重なるスキャンダルを受け、保守野党が議席を大きく伸ばすと予測されていた。そうなれば、蔚山市長選挙介入事件への追及が強まり、文在寅政権は窮地に立たされた可能性がある。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が韓国国民の結束を促したうえに、政権の防疫対策が相当な成果を上げていたことなども重なり、民主党系が圧勝して国会議席の3分の2を占めることとなった。

(参考記事:「文在寅一派はこうして腐敗した」韓国ベストセラー”が暴く闇

政権・与党はその余勢を駆って検察――特に政権中枢に対する容赦ない捜査を推進していた尹錫悦(ユン・ソギョル)検事総長への攻撃を強め、蔚山市長選挙介入事件への捜査はいっそうの停滞を余儀なくされている。