文在寅に迫る「Xデー」…蔚山市長選挙介入事件の全貌

しかし、市長選で宋哲鎬がキム・ギヒョンとの一騎打ちを制して当選した後、キムの側近は書類送検されたが全員が不起訴となり、キムは送検もされなかった。

一方、大統領政務首席秘書官だった韓秉道は選挙を控えた2018年2月、宋哲鎬と党内で候補者争いをしていたイム・ドンホ元民主党最高委員に公企業の社長の座を斡旋し、出馬断念を促したとされる。

また、均衡発展秘書官室先任行政官だったチャン・ファンソクらは、宋哲鎬の選挙公約作りを支援した。その過程で市の内部資料が違法に持ち出されており、この件についても関与した市職員らが起訴された。

検察「大虐殺人事」

一連の疑惑に対する検察の捜査は、13人の起訴で終結したわけではない。焦点となっているのは、当時青瓦台ナンバー2の秘書室長だった任鍾晳(イム・ジョンソク)が関与していたかどうかだ。

任鍾晳は政権発足当初から文在寅大統領を支えた政権中枢の人物であり、関与が明らかになれば、責任追及の矛先が文在寅本人に向かうのは必至だ。宋哲鎬の当選工作には青瓦台の7部門の秘書官室が動員されており、それができるのは大統領と秘書室長しかいないからだ。

(参考記事:「文在寅一派はこうして腐敗した」韓国ベストセラー”が暴く闇